中飛車戦法の特徴
飛車をサッと真ん中へ振るのがカッコイイ中飛車戦法。
対居飛車では他の振り飛車よりも敵玉の近くを攻めるので、相手玉へ与えるプレッシャーは他の振り飛車より高いです。
昔は角道を止めて穏やかな展開の将棋が主流でしたが、今は角道を止めないで積極的に攻める中飛車が主流です。
自分から積極的に動くことによって天敵の居飛車穴熊にも組まれにくく、隙あらば一気に相手の陣形を崩すことも出来ます。
攻めの強さに加え囲いもスムーズに完成できるので、サッと囲って速攻という攻め好きには嬉しい戦法です。
また、中飛車は先手後手問わず似たような形に誘導することができるので、自分の得意戦法に引き込みやすいという特徴があります。
なので、定跡の勉強を中飛車1本に絞ることができます。
これにより覚える定跡の量を少なくしてその分を中盤と終盤に当てることができ、勉強した内容をすぐ実戦で活かすということができます。
「多くの定跡を覚えるのがめんどくさい!」
「1つの戦法で済ましたい!」
という人には特におススメの戦法です。
相振り飛車では使いづらい
中飛車は対居飛車でも相振り飛車にも使えますが、相振りの場合は使いづらいというデメリットがあります。
これには以下の2つの理由があります。
飛車が邪魔して金が守りに使いづらい
他の振り飛車では左の金を5八の地点にスムーズに囲えるのに対し、中飛車はその地点に飛車がいるのでそれができません。
なので、相手の囲いよりも薄い囲いのまま戦いになりやすいです。
薄い囲いでの攻め合いは危険ですし、相手の囲いの方が堅ければ単純に攻めあい負けしてしまいます。
中飛車で戦う際は金を隙無く囲いへ近づける工夫が必要となります。
攻めている場所が敵玉から遠い
相振り飛車は相手の玉頭を攻める展開になりやすいです。
しかし中飛車は飛車を中央に配置させているので、玉頭というより囲いの外側を攻めているというイメージです。
対して他の振り飛車は中飛車よりも敵玉に近いところを攻めます。
なので相手の玉へ迫るスピードが遅くなりがちで、攻め合いでは不利になることがあります。
以上2つの点から相振りでの中飛車は若干不利と言われており、実際プロ間では中飛車相手に飛車を振る居飛車党もいるほどです。
ただし、不利と言ってもほんのちょっとの差です。
有段者以上の人同士が指してやっとのレベルです。
初段を目指すアマチュアであればほとんど影響ないでしょう。
それに相振り模様に関しては中飛車左穴熊という戦法にする方法もあります。
これは中飛車でありながら玉を左に囲うという戦法なので、相振り飛車というよりも居飛車対振り飛車のような将棋になります。
相振り飛車が嫌ならこちらをおススメします。