美濃囲いの特徴
美濃囲いは振り飛車でよく使用される囲いです。
横からの攻めに強く、飛車打ちに強いのが特徴です。
ただし、玉頭の守りは薄いので、上からの攻めには注意が必要です。
振り飛車イコール美濃囲いと言ってもいいくらい振り飛車と相性の良い囲いです。
対居飛車だけでなく相振り飛車でも使えるので、極端に言えば振り飛車党は美濃囲い一本でも十分やれます。
相振りでは対居飛車よりも玉頭を気にする必要があるので、玉を3九の地点に配置して上からの攻めの当たりを避けることが多いです。
アマチュアは振り飛車党が多い傾向にあるので、美濃囲い崩しを覚えればそれだけで将棋全体の勝率が上がるでしょう。
早い、堅い、進展性が売り!
美濃囲いは初心者にとって一番とっつきやすい囲いです。
端歩を入れてもたったの6手で組み上げることができ、しかもそれでいて十分堅いので、そのまま戦いを始めることも可能です。
急な乱戦にも対応しやすいのは嬉しいですね。
また、持久戦模様になれば囲いを更に発展させ、高美濃、銀冠へと組み替えることができます。
囲いを充実させる手に悪い手はあまり無いので、とりあえず無難な手を選ぶという指し方も可能です。
こんな説明をすると弱点が全然無い万能な囲いに思えますが、どんな囲いにも弱点はつきものです。
次は美濃囲いの弱点について紹介します。
美濃囲いは端とコビン攻めに弱い
美濃囲いは端攻めにめっぽう弱いです。
相手の持ち駒に歩と桂馬があればすぐに端攻めの脅威が訪れます。
特に飛車を成り込まれてから端攻めを食らうと厳しいです。
逃げ場が無くなりあっという間に詰まされます。
また、コビン攻めにも弱いです。
角で玉をにらまれた状態で3六の地点に桂馬を打たれるとそれだけで美濃囲いは大ピンチになります。
その状態で相手の持ち駒に金が入ると詰みになることもしばしばです。
特に角と桂馬のコンビは美濃囲いの天敵ともいえるので、相手の角を好位置に配置させないようにすることが重要です。
美濃囲いの手順
初手から
▲7六歩△3四歩▲6六歩△8四歩▲6八飛△6二銀▲7八銀△5四歩▲4八玉△4二玉▲3八銀△3二玉▲3九玉△8五歩▲7七角△1四歩▲1六歩△5二金右▲5八金左△7四歩▲2八玉 まで
四間飛車対居飛車の典型的な手順です。
美濃囲いの作り方は非常に簡単です。
1.飛車を振って
2.玉を移動させ
3.金銀を上がるだけです
画像のような角道を止めた四間飛車であれば、基本的にこのような手順で美濃囲いを組むことができます。
相手の動きを見なくても美濃囲いを作ることができるので、これなら初心者でも楽に囲うことが出来ます。
注:上達のためには相手の動きをしっかりと見て指すようにしましょう。
大事なポイントとしては、相手から端歩を突かれたら受けることです。
端を受けると端攻めの危険性が出てきますが、それは相手も同じことです。
端歩を突くことで玉の逃げ道が広がります。
逆に突きこされてしまうと逃げ道が狭くなるばかりか相手の逃げ道が広くなってしまいます。
細かい駆け引きなどがあれば話は別ですが、基本的に美濃囲いでは端歩を受けるのが無難です。
ただし、これは対居飛車に限ってのみです。
相振り飛車の場合は受けると棒銀のような形で攻められることがあります。
相振り飛車で端歩を受けるかどうかは非常に難しいところですが、端攻めが怖いなら受けない方が無難です。
美濃囲いの総合評価
自分が使う使わないに関わらず出現度はかなり高く、美濃囲い一本でも十分やれるところが頼もしいです。
それにすぐに囲えて堅さもそれなりにあるので、サッと囲って速攻を狙うという指し方も可能です。
また、左の金を玉側ではなく反対側の7八の地点に置く指し方もあります。
この場合堅さは弱くなりますが、バランス重視で隙のない構えになります。
様々な形に対応できる柔軟さが魅力です。