振り飛車穴熊の特徴
振り飛車穴熊は美濃囲いよりも堅く、居飛車穴熊と同等レベルの堅さを誇ります。
また、居飛車穴熊よりも囲いやすく、相手からの速攻に対して比較的対応しやすいです。
これは居飛車穴熊は振り飛車の角ににらまれているのに対し、振り飛車側はそのような角のにらみがないからです。
角の利きが通っていない分、玉への脅威が少ないのが特徴といえます。
4筋からの攻めも可能
美濃囲いのときは金が邪魔して飛車を4筋に振れなかったのに対し、穴熊は金がいなくなっているのでスムーズに振ることができます。
なので、展開によっては4筋から攻めを狙うことができます。
ただし、玉の近くで戦いを起こす事になるので、相手からの反撃もそれなりにきつくなります。
自玉が堅いのである程度は耐えられますが、攻めが切れると「穴熊の姿焼き」になるので気をつけましょう。
弱点はバランスの悪さ
居飛車穴熊のところでも紹介しましたが、金銀が玉の近くに集中するのでバランスが悪いです。
角打ちや飛車打ちの隙が出来やすいので、大駒交換する際は打ち込まれても大丈夫か確認しましょう。
また、囲い構築に気を取られていると、攻撃陣の整備が遅れて手が出しづらい形になります。
漫然と組み合うと相手の攻めを一方的に受ける展開になりやすいので、穴熊を作りながら攻撃陣も整備するバランスの取れた指し手が求められます。
振り飛車穴熊の手順
初手から
▲7六歩△3四歩▲6六歩△8四歩▲6八飛△6二銀▲7八銀△五四歩▲4八玉△4二玉▲3八玉△3二玉▲2八玉△5八金右▲1八香△8五歩▲7七角△7四歩▲1九玉△4二銀▲2八銀△5三銀▲3九金 まで
振り飛車穴熊対居飛車急戦の基本図ともいえる局面です。
振り飛車の左の金が穴熊にくっついていませんが、対急戦の場合は相手の攻めを受け止めるために左側で使うことがあります。
これで囲いは完成とみなし、ここから本格的な戦いが始まります。
振り飛車穴熊の総合評価
振り穴は居飛穴に比べ囲いやすいですが、左の銀を囲いにくっつけにくいです。
なので、その分堅さは居飛穴より劣ります。
ただし美濃囲いよりも堅いので、より強い攻めができるのが魅力です。
ガンガン攻めたい振り飛車党におススメといえます。
また、振り穴を得意とする広瀬章人さんがタイトルを取得したこともあり、出現度が高くなってます。